HIPPOPOTAMUS

コブクロを愛する河馬の戯言置き場。。

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初、オリジナル小説

初のオリジナル小説です!!vv
長いので10部に分けて載せようと思ってますvv
題名は「焔の国」です。
もし興味があれば、読んでやってください






遠くにひとつ、焔(ほむら)が灯る。

それに追われるが如く、俺は駆け出す。

あたりは漆黒の闇、風力は0。

走っても走っても、前に進んでいる気配さえない。


―――追ってくる。


次第に大きくなるその存在が、布越しに皮膚にまで伝わる。
得体の知れない何かがのしかかってきているような、そんな重みを感じた。


 ……暑い…。

 っ熱い――!





飛び起きた視線の先には、見慣れた机とパソコンがあった。
肩で息をしながら周りを見渡す。
いつもとなんら変わらない風景が、ただ広がっていた。


「またか……」


ふっと息をついて、額に張りついた前髪をかきあげる。
伸びてきた髪が余計にうっとうしい。
まるでさっきの炎を宿したかのように火照っている体を持て余し、ベッドから降りた。
絞れるほど汗に濡れたTシャツを脱ぎ捨て、代わりに薄いシャツを羽織る。

片付けるのが面倒で出しっぱなしにしていた扇風機をつけてみる。
人工的に作り出された風は、十分汗を乾かしてくれた。
とはいっても、冷めたのは体の表面だけで、体内はまだ熱が燻っているのだけれど。
この炎が落ち着くのには結構な時間を要することを知っている俺は、再びベッドに突っ伏した。

起きてしまうには、まだ少し早い。

あと三十分は寝られると即座に判断し、ものの五秒で眠りについた。




あの夢を見始めたのはいつの頃からだろうか。
高校に入った頃からだから、もう二年近く前からか。
内容はいつも同じ、大きくて熱い炎に追いかけられるだけ。
真っ暗なのに、炎だけが切り取ったようにくっきりと見えて、その瞬間何故か、逃げなくちゃいけない、と思う。

理由は分からない。
が、恐怖や危険を感じているわけではない気がする。
どちらかといえば、単に熱さから逃げているだけ、と言った方が近い。
だから、起きた時に感じるのは熱さだけで、疲労感も安堵感も恐怖感も全くと言っていいほど感じない。
体内に残った、残り火のような熱さだって、時間がたてば収まってくるものだ。
生活に支障が出るほどのものではなかったし、慣れてもきていた。
二年間も同じ夢を見るのは何かおかしい、とどこかで思っていても、考えたくなかった。
考えたところで、答えなど出ないのだから。




体の熱も冷めだした放課後、俺は体育館にいた。
試合中だったバスケチームがタイムを取り、俺を手招きしている。
メンバーチェンジの声を聞きながら、俺はコートに入っていった。


「九点差なんだけど…大丈夫…?」


大丈夫かなんて、訊くまでもないだろう。
どうにかするために助っ人として呼ばれたんだから。
第一、どうしようもない状況ならコートに入ってない。
どうにかしてみせる。


「なんとかするよ」


意識はもうゲームに集中していた。
返事を待たずに、俺はボールを追いかけた。

スポーツは嫌いじゃない。

考えたくないことを忘れさせてくれるから。

勉強も嫌いじゃない。

知識を得るのは楽しいから。

けれど、やりたいと願ったことは一度だってない。

「大嫌い」がない代わりに、「大好き」もない。

このまま普通に高校を出て、普通に大学に進んで、普通に就職するものと思っていた。
ただ淡々と生きていくのだろうと、そう思っていた。
その予想が外れることなど、考えたこともなかった。
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